Cannibalization and Revenue Dilution
複数の製品の価格設定にお話しする事は、まるで、部屋の中に象のような巨大なものがいるのに、みんなが見て見ぬ振りをしているような状態に対処するようなものです。 カニバリゼーション(共食い)と収益の希薄化は、よく理解して対処しなければならない重要項目です。
カニバリゼーション(共食い)
企業が新製品や新サービスを提供することで、他の製品やサービスから収益を奪うことです。 カニバリゼーションは、携帯電話やノートパソコン、さらには航空会社やその他の輸送サービスなど、特定の業界ではよく見られることです。 企業は競争力を維持していくため、自社の製品開発やサービスの新バージョン化をしていきますが、その際に自社の少し古いモデルの製品や他のサービスの利益をカニバリゼーション(共食い)してしまうことがよくあります。
収益の希薄化
企業が売上を伸ばすために価格を下げることで、収益を希薄化することです。 カニバリゼーションと重なる部分もありますが、必ずしもそうではありません。 新製品や新サービスを投入せずに収益を希薄化することはよくある事です。 価格方針をよく考えずに決めたり、適切に管理しないと、意図的にそうなることもあれば、意図的でなくともそうなってしまうことがあります。
カニバリゼーションや収益の希薄化は、株主や他の投資家の期待に応えなければならないので、経営陣が不安になります。 このようなアイデアが提案されるたびに、社内で激しい議論が交わされることも珍しくありません。 営業やマーケティング部門は、たびたび、競合他社に収益を希薄化されるくらいならば、自分で希薄化したほうがよいと主張することがあります。 財務部門はそれに強く抵抗し、このようなアイデアで事を荒立てたくないと考えます。
前述のように、複数の製品やサービスを提供しないことで、収益の希薄化を引き起こす可能性があります。一例として、ある物流会社で、収益の希薄化があるのにもかかわらず、気づいていないケースがありました。 その会社は、国際航空貨物輸送サービスを提供しており、提供するサービスはエアエクスプレスのみでした。会社の営業担当者が潜在的な顧客と会う時、顧客によって異なるニーズがあり、エアエクスプレスサービスにお金を払うつもりではあっても、より安価で速度が遅いエアエコノミーサービスを必要としていると話すことがしばしばあります。 ある顧客は、タイの工場に月に100トン程度をエアエクスプレス(1〜2日)を使って発送しなければなりませんでしたが、月に150トン程度は、エアエコノミー(4〜6日)で安く送りたいと話していました。 そこで、営業マンはどうしたと思いますか? 彼は販売目標を達成するために、250トンの貨物すべてに最低価格を提示し、結果として物流会社はすべてをエアエクスプレスで送らなければならなくなり、コストが大幅にかかり、結果的に収益がかなり悪化しました。 この会社は、いろいろなサービスを提供しなかったことが原因で、収益の希薄化とカニバリゼーション(共食い)が起こってしまったのです。
2つのサービスを提供することで、エアエクスプレスはより高い価格で、エアエコノミーはより手頃な価格で提供することができ、エアエクスプレスの歩留まりを向上させ、それぞれのサービスを提供するためのコストに見合った価格にすることができました。 最終的にはその通りになり、予想通りの結果が得られました。 その会社のプレミアム・エアエクスプレスの収率は向上し、エコノミー・エアサービスはより低価格でお客様のニーズに応えることができるようになりました。
携帯電話メーカーやその他の電子機器などの他の企業は、新モデルをしばしば高価格で提供し、旧モデルの価格を下げるというカニバリゼーションを日常的に行っています。 これは、全体の製品からの収益と利益が全体的に増加している限り、まったく問題ありません。 基本的に、同社は製品ラインに付加価値をつけ、さまざまな価格帯で幅広い顧客層を引き付けているのです。
この記事の最後に、カニバリゼーションと収益の希薄化を最小限に抑える方法として、異なる顧客グループをターゲットにしたり、差別化された製品やサービスを作成する方法があります。 似たような製品やサービスを作って同じ顧客層に提供する場合、顧客は、購入をある製品またはサービスから別の製品またはサービスに変えることになり、カニバリゼーションおよび収益の希薄化につながります。この問題を回避する方法については、以下の関連ブログ記事をご参照ください。
このブログの関連記事:The Art of Pricing(プライシングの美学)、Marketing and Pricing(マーケティング&プライシング)、Segment Pricing(セグメント・プライシング)、Fenced Pricing(フェンス型プライシング)、およびMulti-Product Pricing(マルチプロダクト・プライシング=複数製品の価格設定)。